防犯環境設計を応用した健康まちづくりの計画手法の開発
【研究キーワード】
都市計画 / 健康の環境要因 / デザインガイド / ウォーカビリティ / 高齢社会 / 国際比較
【研究成果の概要】
2020年度は海外共同研究者とともに、豪州の防犯環境設計の実践状況について、自治体、警察へのインタビュー調査、および事例調査を行う計画であった。シドニー大学で1年間研究する予定だったが、COVID-19の蔓延による渡航制限により実現しなかった。代わりに、英国、スペイン等の研究者と共同で、子どものActive school travel (AST:徒歩や自転車による登下校) の実態把握のためのオンライン調査と、オンラインワークショップを行った。分析の結果、犯罪安全性の低さ、ひとりで歩く区間の存在、街頭防犯カメラの不存在等が、ASTの阻害要因であることが分かった。この成果は、国際ジャーナル(International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity)にて発表した。加えて、COVID-19の緊急事態宣言下における人々の身体活動と近隣環境の関係についての研究成果も、国際ジャーナル (Health & Place) にて発表した。
2021年度も、COVID-19の蔓延が続いたため年度内の渡航は叶わず、豪州の健康まちづくりの計画プロセスの調査は行えなかった。一方、英国の研究者との共同研究で、東京都足立区の11年にわたる防犯環境設計の取り組みを分析し、分析結果を国際ジャーナル(Crime Prevention and Community Safety)にて発表した。具体的には、各種取組を警察との協働による犯罪抑止活動と、住民参加による「美しいまちづくり」に区分し、それぞれ犯罪件数削減や体感治安回復に貢献したことを示した。英国の別の研究者とは、オンライン会議等を通じて共同研究を行い、ロンドンにおける犯罪の季節変化に関する発表を行った。しかし、日豪英の防犯環境設計の計画手法の国際比較には至らなかった。
【研究代表者】
【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
【研究期間】2019 - 2022
【配分額】13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)