気候変動の新たな国際枠組みにおける実効性を確保する国際環境レジームの設計
【研究分野】環境政策・環境社会システム
【研究キーワード】
気候変動 / 国際レジーム / 協力行動 / 自己拘束性 / 国際枠組み / 企業行動 / 詳細ルール / SDGs / ゲーム理論 / ビジネス戦略 / 目標ベース / 規範 / ガバナンス / パリ協定 / 非国家主体 / 実効性 / SDGs / 合意形成 / レジームコンプレックス
【研究成果の概要】
本研究では、自主的な取組における自己拘束性の確保という課題について、技術協力や資金協力における同一の国しか存在しない従来モデルに対して、途上国、先進国が複数存在するモデルを初めて定式化し、サポーター制度の導入により自己拘束的な協定のサイズが増加することを示した。パリ協定の詳細ルールの実効性を評価した。また、企業の取組において長期的なビジョン、数値目標の設定といった長期的な対策の実施について、複数のタイプの国際枠組みが有効に働くことを明らかにした。さらに、SDGsとビジネスとのかかわりについて、SDGsへの取組が企業価値の向上につながり、経験共有や知的支援が求められていることが明らかになった。
【研究の社会的意義】
気候変動に対する世界的な取組において、すべての国や企業が協力する枠組みの設計は、最大の課題の一つである。特に従来、技術協力や資金協力の必要性が強調されていたにもかかわらず、先進国、途上国の違いを明示的に定式化するモデルはごくわずかしか提示されていなかった。また、企業に対する国際枠組みもどのような行動においてどのような枠組みが有効かという包括的な分析はされてこなかった。本研究の成果は、このような課題に対する回答を与えるものであり、今後の気候変動国際枠組みにおける途上国が存在する中での枠組みの特徴や、企業のビジョン作成にあたっての国際枠組み、SDGsの役割について有効な示唆を提供する。
【研究代表者】