大学等の教育・研究者の働き方改革を促進する健康管理に関する調査研究
【研究キーワード】
健康管理 / 教員・研究者 / 働き方改革 / 産業保健サービス / ヘルスリテラシー / 国際比較
【研究成果の概要】
2021年度は、以下を実施した。
大学教員・研究者を含めて大学で雇用されている者を対象に、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症への大学等の対策(感染症対策と大学の研究教育運営活動継続の両立)下での働き方の実際と健康状況について尋ねるWeb質問紙調査のうち、3回目調査を、計3回繰り返し行った。調査対象は、研究代表者が所属する大学で雇用されている者、調査時期は、2020年12月調査(T1)、2021年3月(T2)、2022年3月(T3)、の計3回実施した。
直近3ヶ月の在宅勤務/出勤勤務の程度は、調査時期の感染症流行状況・それに応じた対策強化・緩和状況により影響を受けた結果と考えられた。しかし、いずれの時期でも、教員・研究者の2割前後は、理想的在宅勤務環境があったと仮定しても、出勤勤務を希望しており、その他の職種(主に事務職員)と比べると、その割合は高かった。もともと教員・研究者の大半は労働契約が(専門型)裁量労働制であり働き方の裁量がその他の職種より大きいため、新型コロナウイルス感染症対策により暫定的に在宅勤務が認められたことで、働く場所も含めて業務内容により働き方を自ら決めるという裁量を再認識したことや、自身の裁量で勤務場所について実効的な感染症対策を講じやすいこと、ラッシュを避けた通勤時間帯の設定がしやすいこと、等が、在宅勤務/出勤勤務に関する希望にも反映されていると考えられる。
感染症対策に伴う在宅勤務時の作業環境やコミュニケーション低下に伴って出ると想定される症状について、有無と業務上支障があるかどうか尋ねたところ、調査対象期間中在宅勤務を一度も行っていない者と比較して、在宅勤務環境(机と椅子/ローテーブル/その他)により症状の頻度が高く、勤務環境により症状頻度に違いが出た。健康管理において、他の職種と同様に、ヘルスリテラシーを高める情報提供が必要と考えられた。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)