非アルコール性脂肪性肝疾患の病態形成におけるヒストンメチル化修飾の役割
【研究キーワード】
脂肪肝 / NAFLD / エピジェネティクス / ヒストン修飾 / G9a
【研究成果の概要】
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は極めて有病率の高い生活習慣病の1つであるが、未だ有効な薬物治療がなく新たな創薬につながる病態解明が望まれる。エネルギー代謝を担う遺伝子発現制御にはエピジェネティック機構の関与が知られるが、本研究は過剰なエネルギー供給にさらされた肝細胞におけるエピゲノム状態の変化に着目したNAFLDの病態解明を目指すものである。2021年度は下記研究成果を得ている。高脂肪食を摂取した野生型マウスとG9a肝特異的ノックアウトマウス(G9a KO)の比較から下記のことが明らかとなった。
1.G9aKOでは脂肪肝形成が抑制され、さらに耐糖能、インスリン感受性、炎症が改善した。
2. 肝サンプルを用いた網羅的遺伝子解析の結果、G9aKOではPPARシグナルや脂質合成に関与する遺伝子発現が低下した。
3. さらにG9aKOでは肝への脂肪酸取り込みに関与する一連の遺伝子発現が低下していた。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)