膵癌,胆道癌の肝転移評価のためのMRI検査にメタボロミクスを併用することの有効性
【研究分野】放射線科学
【研究キーワード】
画像診断 / メタボロミクス / 膵癌 / 転移性肝腫瘍 / MRI / 癌 / 核磁気共鳴画像
【研究成果の概要】
最終的には34症例を組み入れることが可能であった。全例、膵癌の症例であり、肝転移ありと診断された症例は8例であった。肝転移が認められなかった症例は26例であった。そのうち、5例で肝転移が、3例で肺転移が、4例で腹膜播種が経過観察期間(中央値18か月)で発症した。
メタボロミクスにより、肝転移なし/肝転移ありの予測性があるかをまず調べたところ、定量できた127物質の絶対濃度をクレアチニン濃度で補正して比較し、23物質で有意差(P<0.05, Mann-Whitney検定)を認めた。現在、他の要因に関しては検討中であるが、予後なども含め多方面から解析を行っているところである。
【研究の社会的意義】
メタボロミクスは唾液、尿などで検査できる非常に侵襲性のない検査である。これまで、膵癌の肝転移の診断には肝細胞特異性MRI造影剤を使用したMRI検査が最も優れている検査であった。しかし、MRI検査のみでは診断に迷うこともあった。また、造影剤を使用できない患者の存在も問題であった。メタボロミクスにより肝転移の存在が予想できる可能性が、本研究により示唆されたことで、速やかな診断が可能となるものと予想される。膵癌の根治治療は手術であることから、手術適応のある患者を迅速に判断する必要があり、その観点から、本研究の成果は意義のあるものと考える。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
永川 裕一 | 東京医科大学 | 医学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
杉本 昌弘 | 東京医科大学 | 医学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)