二枚貝の重要病原体カキヘルペスウイルスの分離培養技術開発とその応用
【研究キーワード】
マガキ / ウイルス / 組織培養 / 細胞培養 / ヘルペスウイルス / in vitro培養 / DNAウイルス / 二枚貝 / 感染症 / 無脊椎動物 / 血球 / 初代培養 / 魚病
【研究成果の概要】
In vitro条件で初代培養したマガキの細胞および組織に、マガキの重要病原体であるカキヘルペスウイルス(OsHV-I)を加え、ウイルスを人為的に増やす技術の開発を目指した。血球を加えた実験区内では、対照区と比べて有意なウイルス量の増加は見られなかった。そこで、初代培養した鰓、心臓、外套膜の組織片にOsHV-I液を加えて増殖を試みたところ、鰓組織片内におけるウイルス量は、培養上清中のウイルス量より増加する傾向が見られ、OsHV-1が鰓組織内の細胞に感染したと考えられた。組織片を用いることでOsHV-Iをin vitro条件で増殖させる可能性が新たに開かれ、今後は手法の改良が望まれる。
【研究の社会的意義】
当初はマガキの血球を用いマガキの病原ウイルスであるOsHV-Iを安定的に増殖させることを目指したが、達成には至らなかった。一方、血球に代えて培養鰓組織片を用いると、OsHV-Iをin vitroで人為的に増殖させることができる可能性が初めて見出された。鰓組織は採取が容易かつ多量に取得可能であるため、今後、手法を改良することで、OsHV-I研究の進展が期待できる。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2021-03-31
【配分額】6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)