ドイツの大都市リージョン制をめぐる政府間関係とメゾレベルのガバナンスに関する研究
【研究分野】政治学
【研究キーワード】
大都市リージョン / 政府間関係 / ガバナンス / ネットワーク / ドイツ / 政治学 / 公共政策 / 地域ガバナンス
【研究成果の概要】
ドイツの大都市リージョンは「グローバル化への対応としての競争力の向上」を基本的な目的として1990年代半ば以降に形成され、「社会的、経済的、福祉的及び文化的な発展のエンジン」として位置付けられている。大都市リージョンの組織と活動には、州や地方自治体、経済団体や企業、市民団体等が様々な形で参加しており、それら相互間の「制御と調整」が大きな課題となっている。本研究では、個々の大都市リージョンの法的根拠、地理的境界、参加メンバーとその相互関係、意思決定の方法、活動の重点分野等に焦点を当て、ドイツの大都市リージョン制の実態を調査するとともに、多様性に富むガバナンスの仕組みとその効果、課題を考察した。
【研究の社会的意義】
日本では、グローバル化の中で都市間競争、地域間競争が進行するとともに、少子高齢化による地方の衰退が顕著となっており、都市を軸にした地域の再編が注目されている。グローバル化への対応として形成されたドイツの大都市リージョンは、現行の行政区域を改編しないで、都市と周辺部を一体として発展させる構想であり、官民の協力による地域の発展を目指す政策枠組みとして一定の成果を上げており、日本の課題を考えるうえで示唆を与える。
【研究代表者】