高齢患者の簡易医療同意能力スクリーニングと意思決定支援ツールの開発
【研究キーワード】
医療同意 / 意思決定支援 / 高齢者 / 認知機能低下 / 教育
【研究成果の概要】
患者が認知機能の低下を伴う場合、治療に対する意思決定能力の有無の判断が困難なことがある。この場合には、通例として家族から治療に対する代諾が得られれば、治療を進めることが可能になるが、本当に患者の意思を反映したものかどうか迷いが残るところである。
加齢により認知機能低下あるいは認知症の発症のリスクになるが、心臓弁膜症の有病率もあがることが知られている。本研究では大学病院における経カテーテル的大動脈弁植込み術適応の高齢患者の医療同意に関する意思決定能力評価と支援に関する診療録調査を行っている。本年度は、調査が完了し、データセットを完成させた。また、このデータセットにより、経カテーテル的大動脈弁植込み術適応の高齢患者における、認知機能低下者(認知症を疑う者)の割合が算出でき、実態を明らかにした。
また、心臓弁膜症の治療選択場面において、認知機能の低下を伴う高齢者に対して医療者が使用可能な資料について、ディシジョンエイドとしての妥当性について専門家と議論し、内容を改訂中である。さらに医療者が、本人ならびに家族に対する医療同意における本人の意思尊重ならびに家族の支援について説明可能な資料を作成し、実臨床での使用を開始した。
【研究代表者】