擬似法的な倫理からプロセスの倫理へ-「生命倫理」の臨床哲学的変換の試み
【研究分野】哲学・倫理学
【研究キーワード】
倫理学 / 生命学 / コミュニケーション / スピリチュアリティ / ナラティブ / 応用倫理学 / 規範倫理学 / プロセス / 自然観察会 / 哲学カフェ / 環境 / 倫理コンサルテーション / 臓器移植 / 子どものための哲学 / 模擬倫理委員会 / ソクラティク・ダイアローグ / 緩和ケア / 疑似法的倫理 / 遺伝子工学 / リベラル新優生学 / 倫理委員会 / ネゴシエーション / ソクラティック・ダイアローグ
【研究成果の概要】
・本研究は、「擬似法的倫理からプロセスの倫理」への転換の完成を探るために以下のような調査、研究を行った。
・本研究で、「擬似法的倫理」と呼ぶものの問題性を明らかにするために、日本(金森修氏)、ドイツ(Dietmar Mieth氏)、ルーマニア(Michaela Serbulea氏)の生命倫理研究者を招いて講演会を開き、それぞれリベラル新優生学、ヨーロッパ連合(EU)の生命倫理政策、および遺伝子工学政策に関する現状への批判的コメントを聞き、意見交換を行った。
・その結果、「擬似法的倫理」と呼ぶものの問題点は、その裁定への注目ともいえるものだということを明らかにした。
・以上のような問題点を克服するためのプロセス倫理の可能性については、次のような調査を行ってきた。
・日本在宅ケア・ホスピス研究会の広島大会での哲学茶屋で声「プライバシーに踏み込まないケアはあるか?」というテーマで哲学カフェの開催に協力した。また日本哲学会における哲学教育に関するシンポジウムにおいて、研究分担者の中岡が、パネリストとして参加した。これらのものを通じて、社会における哲学の役割の検討を行い、また、対話を通じた共同的な意志決定のあり方を模索した。
・また、平成16年から毎年京都の私立高校で、年間10回ほどの出張授業を行った。この授業では、哲学的思考と対話のトレーニングを行うものであり、共同討議の可能性を探った。
・さらに医療現場でEBMを補完しうるものとして注目を浴びているナラティブベイスド・メディスン(NBM)についての検討を重ね、看護士や一般市民も交えた公開シシポジウムを開催した。
・以上のような活動を総括しながら、研究成果報告書の作成を行った。
【研究代表者】