X線磁気イメージングと物性の同時測定による微小磁気構造体の外場応答の研究
【研究キーワード】
イメージング / X線 / 磁気構造 / コヒーレントイメージング / 磁気イメージング / X線
【研究成果の概要】
共鳴X線散乱法や磁気円二色性を用いた微小磁気構造観測に関しては、磁気スキルミオン系を中心に研究を遂行した。その結果、Co7Zn7Mn6においては、磁気スキルミオンの非晶状態が見られたほか、温度低下によってマンガンスピンのゆらぎが増えるなどの特異な現象が見られた。正方晶の金属間化合物EuAl4については低温での磁場掃引に伴って、らせん磁性がまず磁気スキルミオン菱形格子に移行し、その後、正方格子へと変化する様子が見られた。同型構造を有するGdRu2Si2においては磁気スキルミオンの正方格子のほか、二重磁気ファン、短周期らせんの変化する様子が観測できた。
一方、コヒーレント軟X線を用いたイメージング手法の高度化に向けて、フレネルゾーンプレートによる集光ビームと平行ビームを利用したインラインホログラムの利用を進めている。軟X線のボルテックスビームのヘリシティを観測することに成功するなど、新たな手法の開拓に向けて研究が進んだ。
2021年度は、磁気転移に伴って大きな電気分極変化を生じるCaBaCo4O7に関する研究も進展させた。大きな電気磁気効果みられる温度領域において、中性子散乱実験を
行い、フェリ磁性相の高温側に反強磁性相が出現しており、これらの二つの磁気相の間の磁場誘起相転移が大きな電気磁気効果の原因となっていることを明らかにした。また、カルシウムの一部をイットリウムで置換することによって特異な磁気相関が出るなどの新しい発見が得られた。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)