音響的フーリエ変換による超音波リアルタイムイメージング
【研究分野】計測・制御工学
【研究キーワード】
超音波 / 極限環境 / 不可視情報 / リアルタイム / イメージング / フーリエ変換 / ホログラフィ
【研究成果の概要】
本研究の目的は,(1)物体のフーリエ変換を音波によって瞬時に行い,その情報を計算機内にて高速に逆フーリエ変換することにより像再生を行う新たな手法を開発すること,また(2)ガラス,ステンレス等光学的に透明な物体や火炎,霧内,汚泥中など極限状況下にある物体を映像化する実験を行って,本手法の有効性を検証することである.
本研究では,まず透過型音響的フーリエ変換システムを製作した.これは,送信面から受信面の中央に集束するように照射された超音波の渦中に物体を置く,受信面に物体のフーリエ変換が得られるシステムである.このシステムによる実験結果から,物体の再生像は得られたものの,良好な再生像を得るには送信面の位相遅延精度に対する要求が厳し過ぎること,また送受信面間に物体を置くという制約が実用上の過大な障害となることを確認した.
そこで,これらの問題を解決するために,本システムの基本構成を再検討し,以下のような反射型のシステム構成に変更することにした.すなわち1つの送信素子の周囲に多数の受信素子を配列した送受信アレイの前方に,物体および参照音源を並べ,それらが同一円周上にあるように配置するのである.すると,物体からの反射波と参照波との干渉により,受信面上に物体のフーリエ変換が得られる.そして実際に製作するシステムでは,物体の近傍に参照音源を配置せずに,受信アレイに受かる超音波の時系列信号に参照信号を電気加算することによって干渉させることにした.また,参照信号の遅延量を調節するために,パルスエコー法により物体までの距離を測定するオートフォーカス機能を付加した.このようなシステムを製作し,光学的に透明な物体の例としてアクリル製の物体(簡単な幾何学形状,アルファベット文字),また,極限環境下の例として煙中の物体の像再生を行った.その結果,各々の物体が高速かつ良好に映像化され,本手法の有効性が確認された.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
秋山 いわき | 湘南工科大学 | 工学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
斎藤 英雄 (斉藤 英雄) | 慶應義塾大学 | 理工学部 | 専任講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1995 - 1996
【配分額】2,100千円 (直接経費: 2,100千円)