青少年の健康,安全のリスクに関わる包括的意思決定能力育成のフレームワーク開発
【研究キーワード】
意思決定 / 青少年 / 危険行動 / 影響要因 / 情動 / 認知 / 対処 / 活用 / 包括的意思決定能力 / リスク / フレームワーク / 健康安全
【研究成果の概要】
意思決定に影響する内的・外的要因,及び要因への認知,対処,活用等の内容を整理するため,米国健康教育基準の基準2:健康行動への影響,及び基準3:情報,製品,サービスへのアクセス・活用について,また同基準に対応した中高用スキルベース健康教育プログラムLesson Planning for Skills-Based Health Education.(Benes,S et.al., 米国保健体育協会,2017)を分析した。プログラムでは,上記2基準に対応して,スキルの解説と具体的内容が示され,2単元の目標,概要,展開例等が示されている。例えば基準2に対応して単元「自分の健康行動に対する“影響”の理解と分析」があり,行動・健康に影響する外的要因としてメディア,科学技術が,個人的要因として規範の認知・価値観等が取り上げられ,かつ影響の「特定」「分析」「要因」「対応」の点から扱われ,8授業例が示されていた。以上から,意思決定に影響する内的・外的要因,要因への認知,対処,活用の具体的内容が把握できた。
一方,上記では扱いが小さい情動反応性について別途まとめた。情動反応性はリスクテイキング,抑うつ等のネガティブ側面との関連が注目されるが,社会的敏感性や養護性等を踏まえたポジティブな発達側面にも関連する。情動の扱いにはネガポジの視点が必要である。また,意思決定スキル尺度の情動関連項目として,中学生用情動知覚尺度日本語版(石津ら,2013)が有用と示唆された。
中高校生の意思決定スキル尺度の開発では,小学校高学年版(古橋ら)を参照できるが,その使用可能性等確認のため,小学校5年生及び中学1年生に予備的に実施した。その結果,小学校5年生には一部質問が高度過ぎるとされたが,中学1年生では問題はなく,過去に中学3年生にも使用可能であったことから,小学校高学年版をベースにすることが適切と考えられた。
【研究代表者】