がん化学療法治療反応性に対する血中胆汁酸の影響とそのメカニズムに関する研究
【研究分野】医療系薬学
【研究キーワード】
がん / 胆汁酸 / 抗がん剤感受性 / 細胞増殖 / 薬剤反応性 / 治療個別化 / 癌
【研究成果の概要】
がんの早期発見方法や標準的治療法の確立、新しい分子標的薬の登場など、診断・治療技術の進歩はがん治療成績の向上をもたらしつつあるが、いまだ十分とは言えない。本研究では、消化器がんに影響を及ぼすことが知られている高濃度胆汁酸のみならず、肝障害やがんによる胆管の閉塞、その他の理由により血液中で上昇する濃度範囲の胆汁酸上昇(消化管中に流れ込む胆汁酸よりも低濃度)が、がん細胞の種類や胆汁酸に曝露される濃度や環境により、がん細胞の増殖を促進し、抗がん剤の抗腫瘍効果を低下させる可能性を明らかにした。
【研究の社会的意義】
本研究により、臨床で生じ得る血中胆汁酸濃度の上昇・変動ががん細胞の増殖や抗がん剤の抗腫瘍効果に及ぼす影響やそのメカニズムを明らかにすることができれば、例えば肝障害があり血液中に胆汁酸が滞っている胆汁うっ滞などが生じている場合等で抗がん剤治療を行う必要がある場合に、あらかじめ手術で摘出した腫瘍組織中の関連タンパク質や関連遺伝子を分析することにより個々の患者に合わせた適切な薬物治療の選択が可能となる(治療の個別化)。さらにそれが可能となれば、治療開始段階から効果の期待できる抗がん剤を選択できるため医療経済の観点からも有意義であり、社会的貢献も大きいと考える。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
中村 智徳 | 慶應義塾大学 | 薬学部(芝共立) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)