骨格筋由来の生理活性因子による運動効果の機序究明とバイオマーカーの開発
【研究キーワード】
エクソソーム / 加齢 / 運動 / 脳 / うつ / バイオマーカー / BDNF / 機能性食品 / 骨格筋 / 分子メカニズム / 炎症 / 酸化ストレス / 生理活性因子
【研究成果の概要】
【目的】脳由来神経栄養因子BDNFは神経細胞の発生、成長、維持、再生を促進させるが、
最近の研究からうつやアルコール依存において血中BDNF量が減少することが示されており、うつ病のバイオマーカーや治療標的として注目されている。また、BDNFは脳以外の腸管粘膜においても発現することが明らかになっており、脳腸相関の観点から食による腸由来BDNFの制御が脳機能制御に重要な役割を果たす可能性がある。近年の研究から食品成分によって腸細胞から分泌されるエクソソームにより脳機能が制御されることが示唆されている。そこで本年度の研究では、腸細胞に作用しBDNFやエクソソームの分泌を促す食品因子を同定することを目的とした。
【方法】BDNFの分泌に関する研究では、腸細胞のモデルであるCaco2細胞に19種類の食品成分を作用させ、BDNFの分泌に及ぼす影響をELISAを用いて細胞培養液中のBDNFタンパク質量を測定した。エクソソーム分泌に関する研究では、腸細胞のモデルであるCaco2細胞に19種類の上記実験と同じ食品成分を作用させ、エクソソーム膜局在タンパク質であるCD9(エクソソーム量のマーカータンパク質)の分泌に及ぼす影響をELISAを用いて細胞培養液中のエクソソーム量を測定した。
【結果と考察】BDNF分泌に関する研究では、本年度に検討した食品成分について、BDNFの分泌を促進するものは同定されなかった。また、エクソソーム分泌に関する研究では、CD9をマーカーとしたエクソソーム分泌に対する食品成分の影響を検討した。その結果、4種の成分がエクソソーム分泌を促進することを明らかにした。現在、この作用に関して特許出願の準備を進めている。また、関連する情報収集のために総説を作成し、論文発表も進めた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
原 太一 | 早稲田大学 | 人間科学学術院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
川西 範明 | 千葉工業大学 | 先進工学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
稲田 全規 | 東京農工大学 | 工学(系)研究科(研究院) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)