xCT阻害剤による小細胞肺癌のフェロトーシス誘導機構の解明とその抗腫瘍効果の検討
【研究分野】腫瘍生物学
【研究キーワード】
フェロトーシス / 癌 / xCT / 小細胞肺癌 / グルタチオン / 活性酸素種 / 酸化ストレス
【研究成果の概要】
本研究では、小細胞肺癌のフェロトーシス感受性についての検討を行った。小細胞肺癌で発現低下し、フェロトーシス感受性と相関するマーカーとしてSLC7A1(xCT)、SLC3A2(CD98hc)、MALT1やBIRC3を同定した。xCTについてはヒト肺癌組織検体を用いた免疫染色を行い、xCT発現が低いことを確認した。さらに、小細胞肺癌の動物モデルであるRPMマウスより腫瘍オルガノイドを作製し、フェロトーシス誘導剤の評価をすることができるマウスモデルを作製した。また、xCT阻害剤の非臨床試験を行い、SCLCにおいてxCT阻害によるフェロトーシス誘導治療が有効であるという非臨床POCが得られた。
【研究の社会的意義】
進展型SCLCの標準治療は10年以上変化がなく、その治療開発はアンメットメディカルニーズが非常に高い領域であった。しかしながら本研究により、小細胞肺癌に対してxCT阻害剤を使用したフェロトーシス誘導療法が有効であることを明らかにし、xCT阻害剤を使用するためのPOCを取得することができた。今後、xCT阻害剤を用いた臨床試験へと移行するための基盤を整備することができるようになった。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)