MRI神経ネットワーク解析のてんかん診断への応用
【研究分野】放射線科学
【研究キーワード】
fMRI / network / ネットワーク / てんかん
【研究成果の概要】
疾患特異的な異常神経活動同定のためのfMRI解析法開発を目指した。まずBOLD信号および血行動態の時空間分布の比較より自発的神経活動にはいわゆるresting-state network(RSN)と呼ばれる局所同期性活動に加え、全脳性活動が複数存在する事を示した(Amemiya et al. Neuroimage 2016)。さらにネットワーク間相互作用の基盤を理解するため、両成分を離・同定する解析法開発を進めた。並行して自発性神経活動の時空間的非対称性検出法開発を進め、multi-echoデータ解析によるノイズ抽出の有用性と合わせて報告した(Amemiya et al. MRM 2019)。
【研究の社会的意義】
fMRIを用いて疾患特異的な異常神経活動を同定するためには、非神経活動成分の正確な同定が必要となり、特に動態解析における重要性が高い。今回の研究では、神経活動の時空間解析に血行動態解析を合わせること、またtemporal ICAの応用により全脳性神経活動の伝播経路を推計する事を可能とした。安静時fMRIが主に対象とするresting-state networks(RSN)活動は自発性神経活動全体から見ればごく一部の現象であり、ネットワーク間相互作用等を理解する上でも、広汎性活動性の評価は重要性が高い。但し解析難易度の高さから、これまで試みられた事が少ない領域であり、今後の応用拡大が期待される。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2015-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)