細胞内温度計測技術を基盤とする細胞レベルの生命機能および病態化の解析
【研究分野】分析化学
【研究キーワード】
蛍光 / 細胞 / 温度 / 分析 / イメージング
【研究成果の概要】
世界初となるカチオン性ラジカル重合開始剤を合成し、これを用いて無毒性のナノゲル状カチオン性蛍光性温度センサーを合成した。これにより、細胞分裂を含む長時間の細胞内温度計測が可能となった。また、開発した蛍光性温度センサーを利用して褐色脂肪細胞の分化の程度と熱産生能の関係を解明したほか、その熱産生にチャネルタンパク質であるパネキシン1が寄与していることも明らかにした。
【研究の社会的意義】
研究代表者は、世界で初めて蛍光性温度センサーを用いて、生きた細胞の温度計測を行った本分野の先駆者である。本課題の成果は、細胞内温度計測における蛍光性温度センサーの有用性を確固たるものにした他、生物学的・医学的にも興味を持たれている褐色脂肪細胞の熱産生メカニズムに迫ったものである。本成果を通じて、生物学や医学において細胞内温度計測技術が非常に有効であることを示すと同時に、幅広い分野の研究者に本法の重要性を伝えることができた。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2021-03-31
【配分額】17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)