並立連鎖強化スケジュール下のラットの選択行動に及ぼすリスク経験の違いの効果
【研究分野】実験系心理学
【研究キーワード】
不確実性 / 選択行動 / 並立連鎖スケジュール / 繰り返しギャンブル / リスク / ラット / 並立連鎖強化スケジュール
【研究成果の概要】
雄ウィスター系ラット6個体を、2レバ-のオペラント箱で、離散試行型並立連鎖スケジュールにさらした。初環で定比率(FR)強化スケジュールの比率1を行い、終環のFR25を満たした後の結果が異なる2つの選択肢間で選択する。2つの選択肢のうちリスク選択肢では確率0.5(別の個体では0.1、以下同)でペレット10個か確率0.5(0.9)でブラックアウト(BO)10秒、リスクレス選択肢では確率0.9でペレット5個か確率0.1でBO5秒であった。安定した選好を得るために、個体によって終環の比率が調整された。その後、上記の終環の結果が1回だけの非分割条件から、この条件での比率と強化量をそれぞれ1回あたり5分の1にして5回繰り返す分割条件に移行した。1セッションはその試行での選択肢が既定されている強制選択試行20回と、どちらでも選択できる自由選択試行(回数は体重維持に必要なペレット数の獲得に依存)の2つのタイプの試行から成る。非分割条件において、ペレットの出現確率が[0.5-0.9]の組み合わせ(以下同)では、4個体中2個体がリスクレス選択肢を選好した。残り2個体のうち1個体は比率を50に増加させるとリスクレス選択肢への選好がみられ、もう1個体は比率を100まで増加させたがリスク選択肢への選好がみられた。[0.1-0.9]では、全2個体がリスクレス選択肢への強い選好を示した。分割条件において[0.5-0.9]では選好の変動が大きく、安定した傾向が得られなかったが、[0.1-0.9]では全2個体がリスクレス選択肢への選好を示した。同様の手続きで終環に定間隔スケジュールを用いた先行研究に比べ、非分割条件では一貫した選好が得られた。先行研究との相違点は、強制選択試行で両ライトは点灯するが強制選択肢が確率0.5で既定される点と、1試行時間が選択肢間で等しくなるように試行間間隔を調整したことである。
【研究代表者】
【研究種目】一般研究(C)
【研究期間】1994 - 1995
【配分額】2,000千円 (直接経費: 2,000千円)