新薬開発インセンティブと日本における開発状況、医薬品政策の効果に関する実証分析
【研究キーワード】
新薬開発インセンティブ / 薬価制度 / ドラッグ・ラグ / リスク / ドラッグラグ / 医薬品政策
【研究成果の概要】
【具体的内容】
本研究は、総薬剤費の上昇抑制および新薬開発インセンティブの維持/向上という2つの課題の両立に向けた検討として、次の3つのことを明らかにするものである。①日本における新薬開発の現状を欧米との比較検討から実証的に明らかにする。②日本における近年の医薬品政策が日本の新薬開発状況にどのような影響を及ぼしているかを実証的に明らかにする。③薬価引き上げに頼らない新薬開発インセンティブ増大策の効果を定量的に計測する。令和3年度は次のことを進めた。①②の研究では、日米欧各国・地域の規制当局の公開情報を基に、承認新薬のデータセット構築/更新に着手した。また、日本の新薬開発状況を米国と比較した実証分析を行った。③の研究では、新薬開発型企業が新薬の承認申請や上市段階で直面しうるリスクに焦点をあて、そのリスク低減が企業の研究開発インセンティブに及ぼす影響の分析に着手した。先行研究を渉猟し、分析デザインを整理した。
【意義・重要性】 ①②新薬開発ラグはドラッグ・ラグを深刻化させ得る社会的に重要なテーマであるが、近年の状況およびそれに対する近年の政策の影響を実証的に分析した研究はほとんどない。また、③厳しい財政制約下における創薬力の維持/向上も重要な課題であるが、それに関する定量的な分析はほとんどない。社会的重要性と研究蓄積において本研究の意義は大きい。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
中村 洋 | 慶應義塾大学 | 経営管理研究科(日吉) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2026-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)