iPS細胞の凍結プロセスを革新するマルチスケール設計基盤
【研究キーワード】
ヒトiPS細胞 / 凍結 / 解凍 / 計算化学 / プロセス設計 / シミュレーション / ハイブリッドモデリング / ライフサイクルアセスメント / iPS細胞 / 保護剤 / 環境影響評価 / 凍結プロセス / 最適化
【研究成果の概要】
本研究の目的は、iPS細胞凍結の課題に対して、分子・細胞・プロセスの各スケールで取り組み、成果を階層的につなげた「マルチスケール設計基盤」を構築することである。2年目の2021年度は、遂行項目①「新規保護剤の探索」、項目②「多細胞凍結モデル構築」、項目③「冷却装置モデル構築」に取り組んだ。「新規保護剤の探索」については、初年度に、量子化学・分子動力学計算による有望化合物の特定に取り組み、論文発表した。また、ライフサイクルアセスメント(LCA)を用いた環境影響評価も実施した。本年度は、LCAに関する分析モデルと結果を見直しつつ、論文投稿準備を進めた。「多細胞凍結モデル構築」については、初年度に、生存率・所要時間を多目的に最適化する非線形温度プロファイルを特定し、論文発表した。今年度は、この成果をもとに実験的検討に取り組んだ。さらに、凍結保存プロセス全体を扱う充填・解凍プロセスモデルについて成果をまとめ、論文をComputers and Chemical Engineering誌で発表した。「冷却装置モデル構築」については、初年度から取り組んできた、数値流体力学(CFD)を用いたシミュレーションモデル構築とプロセス設計への応用について、成果まとめて論文投稿した。さらに、凍結保存プロセスを一要素とするサプライチェーン全体に研究を展開した。エージェントベーストモデル(ABM)を用いて治療対象者個々の状態をモデル化し、さらに製造に関する費用対効果を評価できるようにした。これにより、対象疾病ごとに最適拠点配置が変わることを明らかにした。成果をまとめた論文は、Chemical Engineering Research and Design誌に発表した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
紀ノ岡 正博 | 大阪大学 | 工学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2020-07-30 - 2023-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)