生体内在性ラジカルとα-Tocopherolの相互作用に関する分子レベルでの研究
【研究分野】物理系薬学
【研究キーワード】
α-トコフェロール / 一酸化窒素 / 酸化ストレス / ラジカル / 抗酸化
【研究成果の概要】
生体内在性ラジカルである一酸化窒素(NO)は、多くの生理機能を有する反面、高次の窒素酸化物を生成し細胞毒性を発現する。筆者等は、NOと代表的な抗酸化物質であるα-トコフェロール(α-Toc)の相互作用を検討するにあたり、生体内の脂溶性環境での反応を考慮して有機溶媒中で反応を行い、NOと共存酸素量を制限した緩和な反応条件を用い、tocopheroxyラジカルの反応性の制御をすることにより、生成物の収量が向上するのではないかと予想し、1,2-ジクロロエタン中、NOとO_2の混合比率に注目し実験を行った。その結果、これまで報告例の無い高収率で、5種の化合物、α-Tocquinone(α-TQ)(max21%),Tocored(max52%),5-formyl-7,8-dimethyltocol(5-FDT)(max29%),2,3-dihydro-7a-(3-hydroxy-3,7,11,15-tetramethyl-6,10,14-hexadecatrienyl)-3,5,6,9,10,11a-hexamethyl-3-(4,8,12-trimethyl-3,7,11-tridecatrienyl)-1H-pyrano[2,3a]xanthene-8(7a-H),11(11a-H)-dione(Toc-dimer)(max10%),2-(3-Hydroxy-3,7,11,15-tetramethylhexadecyl)-5,6-dimethyl-3-nitrosoxymethyl-[1,4]benzoquinone(3-Nitrite)(max23%)が主生成物として得られた。3-Nitriteに関しては、EI-MS及びFAB-MSでは分子イオンピークを検出できなかったが、APCI-LC/QMSにおいて[M-H]^-のピーク検出が可能となったことから、構造式を決定することができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
金澤 秀子 | 共立薬科大学 | 薬学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2001 - 2002
【配分額】2,600千円 (直接経費: 2,600千円)