分子状酸素活性化剤および活性酸素種不活性化剤の開発と薬学的応用
【研究分野】化学系薬学
【研究キーワード】
酸素(O_2)の活性化 / 活性酸素種 / ス-パ-オキシドジスムタ-ゼ / 大環状ポリアミン配位子 / ヘム様機能 / ブレオマイシン / モデル配位子 / 触媒 / 大環状テトラアミン / コバルト(II)錯体 / 1:1酸素付加体 / 大環状トリアミン / 銅(II)錯体 / SOD様活性
【研究成果の概要】
分子状酸素(O_2)の活性化(或いは活性酸素種の不活性化)機能が期待される新規大環状ポリアミン配位子をデザイン、合成した。特に、イミダゾ-ル基をペンダントにもつ環状テトラアミン、トリアミンは、それぞれヘム様機能、ス-パ-オキシドジスムタ-ゼ様機能構築配位子として興味深い性質が明らかとなった。
我々がデザインした大環状ジオキソペンタアミンのNi(II)錯体は、水溶液中常温で1:1O_2付加体をつくり、O_2を活性化することが、我々によって発見されている。この詳細な反応機構解明はNi(II)錯体の不安定等困難にあい、低迷していた。つい最近、我々は安定なNi(II)前駆体を定量的に結晶として単離することに成功した。このbreakthroughによって近い将来Ni(II)錯体によるO_2活性化機構解明が明らかになるであろう。
ブレオマイシンは、O_2活性化機構によって、ガン細胞を殺すことが知られている抗生物質である。活性中心金属として、鉄(II)以外に銅(I)もあり得るかどうか長い間世界中の学会論争の的であった。この問題に決着をつけることと、更に新しいO_2活性化医薬品開発のため、ブレオマイシンのモデル配位子2つを合成した。このアプロ-チ法により、銅(I)錯体には2種類の異性体が存在し、そのうちの1つだけがO_2活性化能を有することを明らかにし、長い間の論争に決着をつけることになった。本研究の発展により、新たなO_2活性化試薬、触媒、医薬品開発につながることが期待される。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
塩谷 光彦 | 岡崎国立共同研究機構 | 分子科学研究所・錯体化学実験施設 | 助手 | (Kakenデータベース) |
小池 透 | 広島大学 | 医学部 | 平成1. 縲怩W月講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(B)
【研究期間】1988 - 1989
【配分額】6,400千円 (直接経費: 6,400千円)