近代イギリス女性作家たちの言語態と他者-感受性、制度、植民地
【研究分野】英米・英語圏文学
【研究キーワード】
感受性 / イギリス文学 / 植民地主義 / 教育制度 / 医科学言説 / 植民地 / 教育 / 女性 / 動物 / 科学 / 英文学 / 女性教育 / 女子教育 / 動物愛護 / 奢侈 / ファッション / 狂気 / 消費 / 道徳
【研究成果の概要】
フランス革命や急進主義が群衆心理や暴力、人間の内省にもつながる感受性、メソジズムの感覚的経験など、18、19世紀イギリス文学と感受性言説についてはこれまで多くの研究がなされてきた。本研究は、これまで多様な視点から研究されてきた感受性言語を当時の女性作家がどう意識し、植民地支配が制度化されていくプロセスに参入していったかに主眼をおいた。医科学書においてどのように女性の身体や動物が表象されているか、文学作品において植民地主義や奴隷がどのように描かれているか、また宗教やチャリティという概念がどう結びつくかを丹念に調査し、感受性の言語態の研究成果とすることができた。
【研究の社会的意義】
本研究は、18世紀末から19世紀前半にかけての感受性言語の変遷と社会的意義を、教育や慈善や科学の制度整備が進み、帝国が拡張する文脈のなかで検証することで、国内外でも未解明なこの課題について研究成果をあげることができた。また、海外の研究者を複数名日本に招聘し、植民地支配の歴史や小説をテーマとした講演、シンポジウム、イベントなどを開催し、研究者のみならず一般参加者にもその成果を共有することができた。たとえば、東京大学と共催で開催した "Romantic Regenerations"国際学会や、世界規模で連携した“Frankenreads”の一環として開催した国際シンポジウムなどである。
【研究代表者】