効率的ヒト遺伝子機能解析のためのヒト培養細胞を用いたRNA干渉法の確立
【研究分野】分子生物学
【研究キーワード】
RNA干渉 / RNAi / siRNA / ヒト / マウス / 有効siRNA配列 / ウェブサイト / off-target / 遺伝子機能破壊 / 哺乳類 / 全ゲノム遺伝子 / RNA干渉法 / Dicer / eIF2C1 / インターフェロン / ヒトゲノム / 哺乳類培養細胞 / ds RNA / SiRNA / ルシフェラーゼ / アポトーシス
【研究成果の概要】
RNAiは、二本鎖RNA(dsRNA)を細胞に導入し塩基配列特異的に遺伝子機能を破壊する方法で、ポストゲノム・シーケンス時代の網羅的遺伝子機能破壊法として注目されている。哺乳類においては、dsRNAによるapoptosisを避けるために21bpからなるsiRNAが長いdsRNAの変わりに用いられてきた。
我々は、はじめに、哺乳類におけるsiRNA依存的RNAiに、eIF2C1-4及びDicerが必要であり、これらのタンパク質がeIF2CのPIWIドメインを介して相互作用する事を明らかにした。次いでヒトやマウスの遺伝子機能解明をゲノムワイドで実施する上で問題となるsiRNA法の問題点、即ちランダムに設計したsiRNAのおよそ80%は役にたたないという問題にチャレンジし、それを実際的に克服する方法を見出した。内容の詳細は、発表論文に譲るが、有効なsiRNAは、4つの条件を同時にみたしており、これらは、少なくとも部分的にsiRNAのRISCへの取り込みとsiRNAの変性の過程に依拠していると推定された。コンピュータをも知多解析から、ヒトやマウスのほとんど全ての遺伝子に有効なsiRNAが設計できることが分かり、ここで開発した手法で求めたsiRNAの配列を用いて、ヒトマウスのほとんどの遺伝子の機能かは異がかのうであることが分かった。良く効くsiRNA配列は、細胞内で、配列の類似している別の遺伝子由来のmRNAを破壊するかもしれない。この効果をoff target効果という。off target効果を最小にするコンピュータプログラムをコンピュータ科学の専門家(東京大学大学院新領域研究科・森下真一教授)との共同研究でつくり、最適siRNAを、投入した任意の配列に対してコンピュータで素早く応答するweb site (siDirect)を構築した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
程 久美子 | 東京大学 | 大学院・理学系研究科 | 科学技術振興特任助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2001 - 2003
【配分額】34,710千円 (直接経費: 26,700千円、間接経費: 8,010千円)