ミクロ経済学と熱・統計力学を用いた代謝システムの解析
【研究キーワード】
代謝システム / ミクロ経済学 / 熱力学 / 代謝 / 統計力学
【研究成果の概要】
最も重要な代謝システムである解糖系に対して、ミクロ経済学における消費者行動の理論で用いられる数式を適用することで、酸素があるにもかかわらずATP生産効率の悪い発酵を呼吸の代わりに用いるというガン細胞などで見られるワールブルク効果を、最適化問題として定式化し、従来提案されていたさまざまな仮説を一つの式に統合することができた。また、経済学におけるスルツキー分解を利用することで、細胞がワールブルク効果を示す場合、薬剤などで呼吸の効率を低下させると、効率が悪いはずの呼吸をより使うようになるという逆ワールブルク効果を必然的に示す、ということを見出した。この結果は、Bulletin in Mathematical Biology誌に"Microeconomics of Metabolism: The Warburg Effect as Giffen Behaviour"という題で出版された。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2026-03-31
【配分額】4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)