ルイス酸-ルイス塩基型新規不斉触媒の開発
【研究分野】化学系薬学
【研究キーワード】
ルイス酸 / ルイス塩基 / 多点制御 / シアノシリル化 / 固相担持不斉触媒 / 触媒的不斉全合成 / エポシロン / 4級不斉炭素 / 多点認識不斉触媒 / ホスフィンオキシド / アルミニウム / ストレッカー反応 / アミノ酸 / 糖
【研究成果の概要】
極微少量のキラル源により大量の光学活性体を純粋に合成できる高効率な触媒的不斉反応の創製が、化合物の合成法を格段に進歩させる。本研究では、基質と反応剤を単一触媒内で位置を定めて活性化する多点認識概念を基盤として、分子内にルイス酸とルイス塩基を有する新しい不斉触媒の開発をおこなった。これらの触媒は、ルイス酸金属によりカルボニル化合物等の基質を活性化すると同時に、ルイス塩基ホスフィンオキシドによりシリル化された求核剤(TMSCN等)を活性化することで反応を促進する。1を用いて一般性、実践性の高いアルデヒドおよびイミンのシアノシリル化反応を実現し、本反応を鍵工程とする抗腫瘍性天然物エポシロン類の触媒的不斉全合成を達成した。1を固相に担持し、Alに結合した活性な状態で再利用可能な固相不斉触媒3を開発した。また、1を改良した触媒2によりキノリン、イソキノリン類へのシアニドの付加反応であるライセルト型反応に世界で初めて成功した。さらに、糖をキラル源とした新規なチタン触媒5,6により基質一般性の高いケトンのシアノシリル化反応を実現した。これらは、キラルアルカロイド類や4級ヒドロキシカルボン酸合成における強力な素反応になると考えられる。現在、これらの反応を活用した医薬リード化合物の効率的合成に取り組んでいる。
【研究代表者】
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】1999 - 2000
【配分額】2,200千円 (直接経費: 2,200千円)