金属間化合物表面の特異性を利用した触媒機能の解明および高機能触媒の創生
【研究分野】触媒・資源化学プロセス
【研究キーワード】
金属間化合物 / 合金 / 触媒 / 水素化 / 選択性 / 部分水素化 / パラジウム / 白金 / 固溶体 / 選択的水素化 / 幾何学的因子 / 微粒子 / 電子的効果 / 幾何学的効果 / 選択水素化 / 位置選択性 / 表面 / 原子配列 / 電子状態
【研究成果の概要】
金属間化合物は合金の一種であり、2種類の金属原子が規則的な配列すなわち結晶構造をとる。組成の違いによりそれぞれの化合物は特有の結晶構造を持つため、表面における原子配列も化合物により異なる。このような特異な表面は、2種の原子がランダムに配置している通常の固溶体合金には存在しない。我々は遷移元素と典型元素との様々な組み合わせからなる金属間化合物を、ナノメートルサイズの粒子状でシリカゲル表面に形成することに成功し、これを触媒として水素化・酸化・異性化などの反応を行い、純金属および固溶体合金と比べて高い活性・選択性安定性を持つ触媒を得た。
【研究の社会的意義】
金属触媒の性能向上のため、第2金属を添加する方法は以前から広く行われてきたが、そのほとんどがランダムな原子配列をとる固溶体合金に関するものであった。我々は規則的原子配列を持つ、すなわち結晶構造を持つ合金である金属間化合物に着目し、その金属表面の特異な原子配列が生起するユニークな触媒作用を解明することに成功した。これにより数百種類以上ある金属間化合物が新規な金属触媒としての大きな可能性を持つことを、触媒研究者に広く知らしめた。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2020-03-31
【配分額】17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)