エネルギー代謝ネットワーク異常による疾患の分子基盤解明
【研究分野】複雑系疾病論
【研究キーワード】
複雑系 / 代謝 / グルココルチコイド受容体 / 臓器連関 / 肥満 / サルコペニア / 骨格筋 / 性差 / 代謝学 / 内分泌学 / オミクス / 生活習慣病 / 糖尿病 / 数理科学 / エネルギー代謝 / 多臓器連関 / グルココルチコイド / 遺伝子発現 / 体組成 / 情報科学
【研究成果の概要】
個体のエネルギー代謝や体組成は多くの要素・調節系の複雑な連関によって制御され、その様式は個体の状況によっても変動する。このような代謝の複雑系は、肥満や糖尿病、サルコペニアの病態においても重要と考え、その理解を目指して、複数の代謝変容モデルマウスにおける数理解析と分子生物学的検証を進めた。肥満での体内の過剰な脂肪蓄積の一部が、骨格筋のグルココルチコイドシグナルおよびその制御下で生じる高インスリン血症により誘導されること、また、加齢早期のサルコペニア変化には筋線維移行を伴う筋力低下があり、個体の代謝を調節する栄養学的介入がその防止に有効であることを見出した。かかる生体の仕組みには、性差を認めた。
【研究の社会的意義】
肥満や加齢のマウスモデルの解析を通じて、個体の代謝システムの規則性を創る本質的な因子の同定が進むとともに、代謝システムが状況に応じて変容すること、個体背景によって異なること、についての理解が進んだ。本研究で志向した複雑系解析と分子生物学の融合という手法の有用性も明らかとなった。エネルギー代謝に関わる各種の病態(肥満、加齢、糖尿病、脂肪肝、筋萎縮など)の新しい予防法および治療法の開発、とくに個別化医療の実現にも貢献する知見が得られたと考えられる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
井元 清哉 | 東京大学 | 医科学研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-07-18 - 2022-03-31
【配分額】18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)