遠隔診断支援のための顎顔面の形態と機能の三次元可視化システムの構築
【研究分野】矯正・小児系歯学
【研究キーワード】
顎運動 / コンピュータグラフィック / 遠隔診断 / 三次元構築 / 表情解析 / コンピュータグラフィックス / インターネット / 骨格歯列統合画像
【研究成果の概要】
近年、顎顔面骨格形態と顎機能の関係について多くの研究が見られるようになってきた。しかしながらこれまでに、同じ座標系の中で機能と形態を三次元かつ同時に表示、解析する方法はほとんど報告されていない。そこでわれわれは被験者の頭部3次元CT(Computed Tomography)画像を顎運動データに合わせて動かすシステムを新しく構築した。歯は3次元表面形状レーザー計測装置、顎運動は6自由度動作計測装置で計測し、これらをセラミック球を用いてCT頭部画像に統合した。
一方、CTは頭部の立体的構造を正確に表示できる利点があるが、撮影装置が高価であり、また被験者へのエックス線被爆も大きい。そこでわれわれが報告した日本人の標準頭部立体モデルを側方頭部エックス線規格写真と歯列模型の計測値で変形させる方法を用いて、被験者の歯・顎顔面形態を立体構築するシステムを構築した。そしてこのモデルを3D-CTの場合と同様な方法で顎運動データに合わせて駆動するシステムを併せて開発した。
2つの三次元頭部モデルの下顎運動表示にはいずれもコンピュータグラフィックの技術を用いた。これらは下顎運動のパターンと骨格形態や咬合の関係を同時に把握することができる。したがって患者への理解し易い説明用ツールとして応用できるとともに、インターネットを通した遠隔診断にも応用できるシステムになる可能性が示唆された。現在は本研究の当初の計画通り、顎運動機能と咬合接触や顎関節空隙との関連に加えて、表情や発語動作の研究に発展させている。
以上の研究成果は原著9編に発表し日本矯正歯科学会と日本顎機能学会から学術奨励賞が授与された。また19演題の学会口頭・パネル発表を行い、そのうち1演題が優秀発表賞を獲得した。本研究成果は2つの海外学会の特別講演で発表した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
青木 義満 | 芝浦工業大学 | 工学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
上原 美智也 | 九州大学 | 大学病院 | 医員 | (Kakenデータベース) |
中村 真吾 | ベルテックジャパン | 研究開発部 | 研究員 |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2004 - 2006
【配分額】14,300千円 (直接経費: 14,300千円)