糸状菌特有の細胞融合を誘導する遺伝子転写制御機構の解析
【研究分野】応用微生物学
【研究キーワード】
糸状菌 / 細胞融合 / 麹菌 / Aspergillus oryzae / MAPキナーゼ / 転写制御 / 遺伝子発現
【研究成果の概要】
糸状菌(カビ)は酵母とは異なり、菌糸を伸長している栄養生長時にも細胞が融合する。我々は糸状菌の一種である麹菌Aspergillus oryzaeにおいて、糸状菌特異的な新規タンパク質FipCを同定し、これが細胞融合に関与する機能を持つことを示していた。
本研究における遺伝学的な解析から、FipCが転写因子AoSte12を介して細胞融合に関わる遺伝子群の転写を制御することを示した。さらにFipCと相互作用する2つのタンパク質を同定した。これらは糸状菌特有の細胞融合メカニズムを解明する上で重要な知見である。
【研究の社会的意義】
糸状菌に特異な細胞融合制御機構には未解明な部分が多いが、FipCの解析を進めることでその解明に繋がると考えられる。細胞融合制御機構の解析が進めば、細胞融合効率の低い麹菌A. oryzaeの効率的な融合が可能となり、ひいては現在困難な交配育種の実現に繋がることが期待される。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)