頭頸部扁平上皮癌の発癌機構におけるmicrobiomeの関与に関する研究
【研究キーワード】
咽頭癌 / ウィルス / 細菌 / microbiomr / Fusobacterium / 頭頸部癌 / HPV / Microbiome / 唾液検体 / 頭頚部腫瘍 / 遺伝子解析 / エピゲノム解析
【研究成果の概要】
HPV-HNSCC全ゲノムデータを用いて新しいプライマー/プローブセットを設計した。設計されたセットは、CaSki 細胞株DNAを用いてスクリーニングし、HPV-HNSCC患者の咽頭うがい液サンプルで確認した。結果、HPV-16ゲノムのうち、 E5領域とL2領域の間で最もリード数が多く、E1領域に普遍的に存在する領域が存在した。CLIA認定の実験室環境において、2つのセットとE7セットの組み合わせにより、咽頭うがい液サンプルにおいて感度は96%(27/28)、特異度は100%(0/15)だった。結論:HPV-HNSCCにおけるHPV-16 DNA検出能を改善できた。
【研究の社会的意義】
HPV関連中咽頭癌は現在増加傾向を有するウィルス関連癌である。本癌に対する前がん病変は明確ではないため、今後嗽液や血液からのリキッドバイオプシーによる発がんリスク分類が必要となってくる領域である。本研究ではその発がんリスク分類を明らかにするために既存のゲノム情報からより検出感度を高めるプライマー/プローベセットを開発することに成功した。本研究をもとにこれまで困難であったHPV関連中咽頭癌の早期発見を可能にする基盤を作成したと考える。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)