Cdk6による骨格幹細胞G0/G1期制御機構の解明と骨再生医療に向けた基礎的検討
【研究キーワード】
骨格幹細胞 / 細胞周期 / G0/G1期 / 骨軟骨代謝学 / 再生医療
【研究成果の概要】
骨代謝メカニズムの解明は口腔外科学分野において非常に重要な課題である。本研究では、研究代表者のこれまでの研究成果の発展形として、細胞周期のG0/G1期に着目して、骨格に存在する組織幹細胞(骨格幹細胞)の制御機構を明らかとすることによって、骨代謝制御メカニズムのさらなる理解を深めるとともに、その結果を骨再生医療分野における臨床応用につなげるための基礎的検討を行う。2020年度は以下の項目を検討した。
【G0期からG1期への移行に伴う遺伝子群の網羅的探索】
野生型マウスならびにCdk6ノックアウトマウス(入手済)由来の骨髄間葉系幹細胞に対して、①血清除去によって細胞を強制的にG0期に移行させたサンプル、②G0期の細胞を血清刺激によってG1期へ導入させたサンプル、を用いた RNA-seq を実施し、G0期→G1期の細胞周期移行で変動する遺伝子を網羅的に検索するとともに、その細胞周期移行におけるCdk6遺伝子欠損の影響を評価した。
【Cdk6転写因子群のゲノム結合部位同定】
【G0期からG1期への移行に伴う遺伝子群の網羅的探索】と同様の条件で培養した野生型マウス由来骨髄間葉系幹細胞に対して、抗Cdk6抗体を利用したChIP-seqを行い、Cdk6と複合体を形成する転写因子群(Cdk6結合転写因子群)のゲノム上での結合部位を網羅的に解析・同定する。次いで転写因子に関するデータベースであるTRANSFACを用いた in silico解析(コンピューターによる理論解析)を行い、同定された配列に結合しうる転写因子を選択した。
【研究代表者】