博物館標本から得られるDNAのビッグデータによる腹足類の多様性進化ダイナミックス
【研究キーワード】
分子系統 / 生物多様性 / 博物館標本 / DNAバーコーディング / ミューゼオミックス / 環境変動 / ミトゲノム / 貝殻 / ビッグデータ / ミトコンドリアゲノム / フィールドワーク / 貝殻標本 / 次世代シーケンサー / 多様性変動
【研究成果の概要】
本研究では、次世代シーケンサーで多数の腹足類の博物館標本からミトコンドリアゲノム全長配列(ミトゲノム)及び18S-rRNA・28srDNA全長配列の決定に加え、それらから有用な部分遺伝子の断片配列マーカーの開発をする。得られたマーカーを更に軟体部や貝殻の博物館収蔵標本のDNA実験に活用をする。最大目標としては、大量なDNA情報や化石・地質学的情報を含むビッグデータセットで腹足類の大系統の解析を行い、腹足類の多様性変動のパターンと地史に起きた環境変動との関連を解明する。
1~2年目の目標には:(1) 博物館標本やフィールドワークからのサンプル採取;(2)一部のサンプルの次世代シーケンサーによるミトゲノム全長配列決定である。目標(1)については、東京大学博物館からのサンプル採取や、インドネシアや日本でのフィールドワークで、ほぼ達成できたと言える。目標(2)については、プロトコルの再確認実験がうまく行ったものの、コロナ禍の影響で実際に決定したサンプル数はまだ1サンプルのみである。この成果について論文報告をして、R3年度の4月ごろに3本の論文が出版された。さらには、手法の確認など派生的な実験の一部からも成果が出ており、それらの論文発表・学会発表も行った。
その後2年目以降には、得られた残りのサンプルの約半分(約800サンプル)のgDNAの抽出が終わったが、コロナ禍の影響でミトゲノム全長配列決定までは全く進んでいない。しかし、本研究にはDNA配列の情報が必要であるため、本研究で開発したプライマーも含むそれらのサンプルの3ー6遺伝子マーカーの部分配列のデータ採取を進めている。従って、2年目から開始する予定の実験(軟体部からのDNAの断片配列の獲得)が順調に進んでいると言える。その1部の結果を学会の査読付きプロシーディングス論文に報告した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
佐々木 猛智 | 東京大学 | 総合研究博物館 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)