口腔用ダーモスコープ開発と人工知能技術を用いた新しい口腔粘膜疾患画像診断法の確立
【研究キーワード】
口腔がん / ダーモスコープ / 口腔粘膜疾患 / 人工知能
【研究成果の概要】
これまで撮影が困難であった口腔内深部や狭小部の撮影を行うために、カメラ先端部を小型化するとともに、柔軟な角度変更を可能とする口腔内ダーモスコープを作製した。小型カメラの開発は申請者が中心となり、本学先端生命医科学研究所先端工学外科学分野の吉光喜太郎特任講師と同研究所のものづくり工房スタッフと連携し、実用化を想定した設計・開発を行った。具体的には、口腔内部に入るカメラ先端部の細径化、および観察方向・角度の調整機構の追加をした。先端部は唾液等が付着し不潔になるが、プリズムやLED等の光学式パーツが内蔵しているため、利用ごとの破棄となるとランニングコストが掛かり高額になることが懸念された。滅菌処理による繰り返し利用も考えられるが、光学式機器の滅菌には注意が必要であり、実用的な清潔性を保つためには単回使用されることが望ましい。そこで、われわれは清潔性と汎用性を考慮し、観察時にはカメラの先端部、利用毎にカメラ先端の口腔内接触部品のみ滅菌使用で脱着交換できるカバーを開発作製した。
倫理委員会審査の承認も得ており、今後口腔内のあらゆる部位に発生した口腔がん、口腔白板症を中心に口腔粘膜疾患画像のデータ蓄積を行う。コントロールとして正常画像および他の粘膜病変画像を集積する。症例画像の蓄積は東京女子医科大学病院とTMGあさか医療センターで行う。また、ダーモスコープ画像に対応する部位の病理組織画像および病理診断結果も収集、蓄積する予定である。
【研究代表者】