学校評価システムの構築に関する開発的研究
【研究分野】教育学
【研究キーワード】
学校評価 / 学校組織マネジメント / 外部評価 / 第三者評価 / 支援システム / ニュージーランド / NPM / 組織マネジメント / 自己評価 / 他者評価 / 内部評価 / 学校参加 / 組織開発
【研究成果の概要】
本研究の主眼は、自己評価と外部評価が機能的に連携した学校評価システムの開発にある。そのため、外部による評価を受容する文化がまだまだ成熟していない日本の学校文化において、(1)いかに外部機関(者)を受容する体制を構築していくか、さらに(2)外部による評価結果をいかに自己評価に反映させ、学校経営の活性化を効果的に進めていくか、といった日本の各学校や教育委員会が抱える現実的課題に、理論的実証的に取り組んできた。以下、結論を箇条書きする。
(1)学校評価を推進するには、学校の状況を的確に分析した専門的な助言が必要であり、その意味でアドバイザーの存在は不可欠である。ただし、そのアドバイザーは、学校に常駐しているわけではない。年間に数度の訪問だけでは、概要は把握できても細部にまで眼が届かない。しかも、学校は、学校経営だけで成り立っているわけではなく授業や生徒指導など多岐に及び、とても一人のアドバイザーでは対応しきれない。したがって、アドバイザーの活動を補完する仕組みが必要である。
(2)現在、教員系大学等において進められてきているスクール・リーダー養成のための大学院づくりは、そのような力量を備えた人々を養成していくという点で、また大学院スタッフ自体のコンサルティング能力の開発にも有効であろう。ただし、教職大学院の設置は、量的な拡大には大きな限界があることは明白である。しかし、教職大学院において実現しようとしている事柄は、確かに各学校にとっても必要である。
(3)この落差を埋めていくには、裾野の拡大を図っていくことが当面の課題となる。すなわち、各地の教職員研修の充実である。モデル・プログラム開発と教材作成を大学等の研究機関が担うならば、相当に充実した研修の実現が引き出されるであろう。
【研究代表者】