昆虫忌避剤・防虫剤の吸入暴露による化学物質過敏症などの炎症性疾患発症と病態解析
【研究分野】放射線・化学物質影響科学
【研究キーワード】
トキシコロジー / 炎症反応 / アレルギー / 化学物質過敏症 / シグナル伝達 / 防虫剤・殺虫剤 / 炎症 / アレルギー・ぜんそく / 昆虫忌避剤 / マスト細胞
【研究成果の概要】
昆虫忌避剤 DEET や、ピレスロイド系の防虫・殺虫剤は家庭・地域において日常的に使用されている。これら化合物は化学物質過敏症や炎症性疾患発症への関与が考えられているが、その詳細な作用機序については不明である。DEET は、ラット好塩基球性白血病細胞株 RBL-2H3 細胞での抗原依存性脱顆粒に対し抑制作用を示す一方、持続性のERK 活性化を示した。ピレスロイド系化合物のアレスリンは、抗原非依存性に脱顆粒と ERK活性化を引き起こした。また、これら化合物は、ヒト肺胞上皮由来 A549 細胞においてサーファクタントタンパク質 SP-A の発現を増強し、 ERK 活性化も引き起こした。 DEET およびピレスロイド系化合物は、細胞のシグナル伝達系に影響し、免疫応答に関わる細胞機能を修飾することが示唆された。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2010 - 2012
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)