腫瘍細胞の進展にともなう非特異免疫の変化に及ぼす運動とストレスの影響
【研究分野】衛生学
【研究キーワード】
免疫 / 癌 / ラット / ストレス / 運動 / セレン / スピルリナ / フローサイトメトリー / スピルリオ / 非特異免疫 / 臨床検査 / SST-2細胞 / 腫瘍細胞 / 生体防御機能 / 自由運動 / 活性酸素 / 強制運動 / 特異免疫 / 生化学検査 / SST2細胞
【研究成果の概要】
〔目的〕われわれは今までに各種ライフスタイルと生態防御機能との関係について動物実験、高齢者の健康管理、アンケート法による調査などにより多方面の研究を行ってきたが、その中でストレスの少ない適度な自由運動が非特異免疫能を中心とした生態防御機能の向上に大きな役割を果たしていることを見出して来た.そこで積み重ねられたいろいろな手法を用いてこれらのライフスタイルの癌細胞に与える影響を腫瘍の大きさと各種生態防御機能より把握することを試み、次の3種の実験を行った.
〔実験〕(1)平成10年度:皮下移植腫瘍(SST-2)の移植に伴う非特異免疫系を中心とする生態防御機能の変化に与えるストレスの影響。(2)平成11年度:皮下移植腫瘍(SST-2)の移植に伴う非特異免疫系を中心とする生態防御機能の変化に与える運動の影響。(3)平成12年度:皮下移植腫瘍(SST-2)の移植に伴う非特異免疫系を中心とする生態防御機能の変化に与える抗酸化作用を持つ補助食品の影響。
{結果と考察}ストレス方法としては電気刺激とそれを見ている心理ストレス群の2群を設定した.ストレス負荷により腫瘍は有意に増大したが、腫瘍移植前までストレス負荷し、移植後ストレス負荷を停止した群は両群とも対照群より有意に腫瘍が軽かった.しかもこれらの傾向は好中球機能、NK活性、リンパ球幼若化機能でもそれを裏付ける結果を示した。自由運動は腫瘍が有意に軽かったが、強制運動は対照群と変わらなかった.しかしNK活性は両群とも有意に高かった.補助食品としてはセレンとスピルリナに対する影響を見たが、両群とも対照群に比べ腫瘍の大きさは小さかった.ストレスや運動ほどの大きな差は認められなかったが、腫瘍を移植されたスピルリナ群はリンパ球のサブセットを誘導している可能性を示唆する結果を示した.
【研究代表者】