日本で流行する梅毒のゲノムタイピングによる分子疫学研究の確立
【研究分野】感染症内科学
【研究キーワード】
梅毒 / 分子疫学 / ゲノム解析 / MLST / 男性間性交渉 / 感染症 / 内科
【研究成果の概要】
本研究の目的は日本で流行する梅毒の分子疫学であり、培養することができない梅毒を臨床検体から遺伝子を直接同定することによりゲノム解析を行うことを目的としていた。3年間で47の血液検体と7つの一期梅毒の病変部からのスワブ検体から最終的にDNAを抽出しメタゲノム解析を試みた。梅毒は培養ができないため、検体から直接菌体を得る必要があるため、解析に必要なDNAを抽出することが困難であったが、PCR法の試行錯誤により13クローンをえることができた。梅毒の遺伝子型として主要なNIchols型とSS14型は日本では約半数流行としており、どちらかがドミナントであるということがないことがわかった。
【研究の社会的意義】
2015年度の東京都の梅毒報告数は5年前の6倍と激増し現在も増加傾向にある。一方、申請者の施設では以前より梅毒はcommonな疾患であり、実に初診のHIV患者の40%程度がTP抗体陽性で、年間10-30例程度を報告していた。日本のHIV感染者はMSM(Men who have sex with men)が多数で、heterosexualな性行為を行う集団も一定数含まれているが、梅毒の感染経路が粘膜の接触を伴う性行為に限られることを考えると集団間の伝播は少なく梅毒の分子疫学研究による成果はHIVなど他の重要な性感染症の感染防止体策に関しても効果的な介入方法を提供できる
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)