社会保障制度改革:政策の不確実性による経済、財政、厚生費用の計量分析
【研究分野】財政・公共経済
【研究キーワード】
少子高齢化 / 社会保障 / マクロ経済 / 不確実性 / 政策の不確実性 / 高齢化 / 社会保障制度改革 / 経済政策
【研究成果の概要】
本研究では、社会保障における改革が先延ばしされることによって生じる経済的な影響、財政および厚生効果を推計し、改革時期と内容の不確実性に起因するコストについて数量分析した。第一の論文では、改革が先送りされる場合、貯蓄および労働インセンティブは減少し経済活動の停滞と賃金の低下、過大な税負担を将来世代に残す結果となった。第二の論文では、年金制度の不確実性および改革の先送りによる経済的および厚生的費用を計量分析した。
【研究の社会的意義】
高齢化が急速に進行する日本では、社会保障支出が急増すると同時に労働力の減少による大幅な税収減が予測される。制度改革が不可避である一方、痛みを伴う改革を先送りするインセンティブが存在し、どのタイミングでいかなる政策が実施されるかに関して不確実性が存在する。本研究では、マクロ経済モデルを用いて改革を先延ばしにすることによって生じる経済的な影響・財政・厚生効果を推計し、改革時期と内容の不確実性に起因するコストについて数量分析した。これらの分析結果は喫緊の政策課題を迅速に解決する必要性を強調している。政策の不確実性や、改革の遅れによる費用を明示することにより政策議論の活発化を促す効果が期待される。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)