高分解能CTによるインジウム肺病態解明
【研究キーワード】
インジウム肺 / 画像診断 / 毒性学 / 高分解能CT (HRCT) / 人工知能(AI) / コホート / 動物実験 / インジウム / 職業性肺疾患 / 病態 / 人口知能 (AI)
【研究成果の概要】
インジウム肺についての中野らが追跡しているインジウム暴露者集団の中でCTが撮られている症例について、CTを供覧して読影を実施し、国際じん肺HRCT分類に準拠して所見を確認した。特徴的なCT所見を見出した。この内容については、インジウムの曝露量に関連する血中インジウム濃度に用量依存的に関連していると考えられた。これまでのインジウム肺が肺胞蛋白症であるという米国の研究者の説に対して、より深い洞察が与えられる結果と考えている。
これらの内容に直接的に触れた学会発表、論文発表はないが、職業性肺疾患の画像診断に関する研究成果を2編、自己免疫性の肺胞蛋白症に関する報告を1編行なっており、インジウム肺との対比が明らかになりつつある。また、インジウム肺を含めた総説的な内容をインドネシア呼吸器学会において招待講演を行った。
一方、動物実験においては、インジウムの曝露チャンバーはないものの、気管内投与、鼻腔投与を検討し、着実に実験を進めている。臨床の病態を表す動物実験結果はまだ、明確には捉えられていないが、ClinicopathologicのSurrogateという形ではあるが、形態学と病態学をつなぐ形でインジウム肺の全体像を捉えるべく研究を進めている。インジウム曝露により全身的な消耗性の影響が出ていることが確認でき、さらに肺に肉眼的にも確認可能な所見が出現していることを確認した。こうした所見の分析に先進的な測定機器を使える可能性についても学内の海洋コア総合研究センターの研究者と意見交換を行った。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
中野 真規子 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 講師 | (Kakenデータベース) |
審良 正則 | 独立行政法人国立病院機構近畿中央呼吸器センター | 臨床研究センター | 放射線部長 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)