学習能力を決定する臨界期の経験依存的神経回路形成のメカニズムの解明
【研究キーワード】
歌学習 / 可塑性 / 発達 / 臨界期 / 学習 / 記憶 / ソングバード / 聴覚 / 神経回路発達 / キンカチョウ
【研究成果の概要】
歌を学習するトリ、ソングバードの一種であるキンカチョウは発達期に聴く成鳥の歌を覚え、これを模倣することで歌を学習する。この時、キンカチョウのヒナは自身の種の歌を聴き分けて学習する。本研究ではこのキンカチョウの歌学習をモデルとして用い、自身の種の歌を聴き分け選択的に学習する神経メカニズムを明らかにすることを目的とした。そのため、高次聴覚野の神経細胞がどの様に特定の歌を認知するのか明らかにするため、電気生理学的研究を行った。これにより高次聴覚野には様々な細胞があり、その中の一部の細胞が、歌の要素の特定のコンビネーションを認知していることを明らかにした。
【研究の社会的意義】
本研究の成果により、ヒトの言語発達のメカニズムに対して知見が得られた。どのように脳内で音が処理され、記憶されるのか、また何故発達期の特定の時期にのみ歌学習が起きるのか、基礎的な知識が得られた。これらの基礎研究の知識が、将来的に発達期の神経発達が原因で起きる病気のメカニズムの解明につながる可能性がある。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【配分額】17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)