視覚障害者の進路選択の多様化を支援する実験安全管理・教育手法の整備
【研究キーワード】
視覚障害 / 実験安全 / 行動解析 / 理系 / 進路選択 / 被験者実験 / 科学的手法 / 実験作業 / リスク / 指針策定
【研究成果の概要】
視覚障害のある学生の理系進学へのハードルとなっている可能性が指摘されている実験作業とそのリスクの解消を目的として、以下の検討を行った。
1.視覚障害のある学生の実験作業に関する現状調査と課題抽出 視覚障害のある人が実験作業を行った国内外の事例を文献等から収集し、実験を行う上での具体的な困難や課題の抽出、その解決方法などについて整理した。一方で、視覚障害者を対象としたヒアリングやアンケートを実施し、視覚障害者が実験作業に携わる際の課題や方向性に関する基礎的情報を収集した。
2.被験者実験による視覚障害の有無が動作に及ぼす影響の科学的解析 昨年度までに検討した実験内容について健常者で事前検討し、視覚障害者18人に対して実験した。新型コロナウイルス感染防止の影響で、当初の想定規模では実施できなかったが、健常者が目隠しした状態とは全く結果が異なり、また、障害者の経歴などにより、結果が大きく異なることが分かった。
3.実験作業における音の役割に関する検討 視覚障害のある人にとって、聴覚からの情報は視覚を補う重要な役割を果たしていると推測される。本年度は、実際の実験室で発生している音をモニタリングし、得られた音響情報の中から、機械学習によって、通常の活動で発生する音とは異なる音(異常音)の発生を判別する手法を確立した。また、これらの異常音が人間の耳にどのように聞こえ、視覚障害の有無によってその判別方法にどのような違いがあるのかを明らかにすべく、実際にサンプリングされた音を用いた被験者実験を行った。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
辻 佳子 | 東京大学 | 環境安全研究センター | 教授 | (Kakenデータベース) |
澤口 亜由美 | 東北大学 | 理学研究科 | 技術一般職員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2023-03-31
【配分額】6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)