日本人の寒冷適応能を構成する遺伝的要因と生理的要因の検証
【研究分野】応用人類学
【研究キーワード】
生理的多型 / 遺伝的多型 / 体温調節 / 寒冷適応 / 遺伝子 / 環境 / 人類学 / 生理学 / 遺伝子多型 / 環境適応 / 生理人類学 / 低酸素
【研究成果の概要】
本課題は現代日本人の寒冷適応能について、特に産熱機能の生理的多型と遺伝的要因の関連を明らかにすることを目的とし、ヒトの寒冷曝露時の産熱反応と産熱に関与する脱共役タンパク質1(UCP1)遺伝子多型との関連を検証した。その結果、UCP1遺伝子の一塩基多型であるrs1800592と産熱反応に有意な関連があり、加えて最も産熱すると考えられるハプロタイプは高緯度地域、低気温地域で多かった。以上から、日本人の寒冷適応に関連する生理的多型の一部が遺伝的要因に影響を受けることを示した。さらに、生理データ、遺伝学的解析、地理情報を組み合わせた本課題は、人類の適応史を明らかにする新しいアプローチを提示した。
【研究代表者】