スキーにおける前十字靭帯損傷リスクを低下させる滑走技術の解明
【研究キーワード】
アルペンスキー / 前十字靭帯 / バイオメカニクス / シミュレーション / 運動学データ / スキー / 慣性センサ
【研究成果の概要】
前十字靭帯損傷はアルペンスキーにおいて深刻な予後を招くことから、スキー研究において長く前十字靭帯損傷に関する研究が進められ、その受傷メカニズムが調べられてきた。本研究は、前十字靭帯損傷リスクの低い滑走技術について明らかにすることを目的として実施中である。今回、実際のスキー滑走データと動力学シミュレーションを組み合わせた手法を用いて研究を進行中である。本研究の特長は2点あり、1点目は一般的にばらつきの激しいスキーの雪上データに対して、独自に開発した動作計測システムを用いてデータを多量に計測することにより頑健な解析を行うこと、2点目は動力学シミュレーションを組み合わせることにより体系的かつ網羅的にスキーヤーの動作変動が膝関節負荷に与える影響を調べることにある。
研究初年度から継続して滑走中の動作データを取得中であるが、R3年度は大回りターンのフリー滑走データを取得し、当年度で実滑走中データの収集面で基盤的データ(フリー滑走の中回りと大回り、スラロームのゲート滑走)が整った。
また、スキー滑走における動力学シミュレーションにおいては、昨年度から継続し、モデル構築を実施中である。今年度はスキーと雪面における接触力のモデルを当該シミュレーションモデルに組み込み、シミュレーションテストを進め、凡そ完成した。当該接触力モデルにおいて計算時間が大幅に増加したことから、次年度は計算時間の短縮のための対策(一部コーディングの見直し等)を行う予定である。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)