踵部痛の病態に関する研究 ‐踵部脂肪体の形態および力学的特性の変化について
【研究キーワード】
踵部脂肪体 / 超音波 / 踵部痛 / 荷重 / エラストグラフィ / 体外衝撃波治療
【研究成果の概要】
・踵部脂肪体の荷重形態変化測定に向けた評価器具の開発
踵部脂肪体は荷重に伴って変形する、ワイドレンジな形態的特性を有する組織であるものの、これまで荷重位での形態的変化を直接的に定量評価する方法は確立されておらず、明らかにされてこなかった。これらの問題を解決すべく、申請者研究室所属兼本研究協力者でもある松本氏を筆頭に荷重測定器具を開発し、超音波のような精密機械を保護しながら、荷重位における踵部脂肪体の形態計測をすることが可能となった。機材の信頼性を検者内・検者間の観点から確認したところ、誤差なく、信頼性の高い値が得られることを確認できた。この成果は国際誌にも掲載され、来年度以降行う測定の基盤となる研究となった。
・踵部脂肪体の力学的特性(弾性)評価
荷重により変形した踵部脂肪体は高弾性(硬い)(約500kPa)であることから、従来のSWE測定許容範囲を越えるため、これまで測定することが出来なかった。そこでキャノンメディカルシステムズ株式会社開発部と協議、改良を進め、shearwave elastographyによる700kPaまでの弾性測定が可 能となった。今年度この機能が完成し、予備実験にて数名の荷重弾性変化を測定し、測定が可能であることが確認できたため、来年度は形態的観点のみならず、力学的観点からも研究を進めていく。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)