商工・通産・経産省の政治的機能の解明による昭和・平成期の統治構造転換への総合研究
【研究分野】政治学
【研究キーワード】
オーラル・ヒストリー / 経済産業省 / 通商産業省 / 商工省 / 産業政策 / 通商政策 / 木戸幸一 / 地球温暖化政策 / オーラルヒストリー / 通産省 / 革新官僚 / 政策ネットワーク / APEC / 公共政策 / 経産省
【研究成果の概要】
本研究は2000年代以降研究面での関心が薄れている経済産業省とその産業政策・通商政策について、商工省の発足以降の全体を視野に入れつつ、第二次以降の安倍晋三政権下で経産省出身の秘書官等の「官邸官僚」が出身母体である経産省とともに政策革新を果たそうとしてきたプロセスも含めて、制度的基盤と政策構想の土壌について、オーラル・ヒストリーと文献解釈を通じて解明しようと企図した。省庁体系の中では中核である内務・外務・法務・財務・軍務の外にあるが、政策革新の動因となる希有の組織であり、産業政策を基礎にしてマクロ経済政策マルチラテラルな通商政策のグローバルな展開を両輪に近年の政策革新を進めたことが確かめられた。
【研究の社会的意義】
本研究は、1990年代以前の日本経済の成長に寄与したという通産省イメージを再検討し、とりわけ21世紀のグローバル経済に経産省が産業政策によるバイラテラルな協調と、通商政策によるマルチラテラルな制度運用という二つの方向性によって適用したことを明らかにした。また第二次以降安倍晋三政権における経産省出身官邸官僚の役割も、経産省がその出発点としての臨時産業合理局以降蓄積した政策革新の組織ミッションから派生し、そうした要素を組み込んだ政権の存在意義についても示唆を与えるものとなった。またオーラル・ヒストリー方法論も検討を重ねており、時代に即した聞き取りの方法についても自省による高度化を進めた。
【研究代表者】