NOSの補酵素テトラヒドロビオプテリンの敗血症における動態と治療標的としての検討
【研究キーワード】
敗血症性ショック / 敗血症 / テトラヒドロビオプテリン / アスコルビン酸 / 血管内皮細胞 / プテリジン / 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素
【研究成果の概要】
敗血症性ショックは、様々な治療法が進歩した救急・集中治療領域においても未だ予後不良の疾患の一つである。本研究は、敗血症におけるテトラヒドロビオプテリン (BH4)とその関連代謝物の変化を解析し、病態との関連を検討することを目的として実施した。BH4とその関連代謝物の血中濃度は、感染からの時間経過とともに変化しており、この変化は一酸化窒素の産生量や病態の変化と関連していることが示唆された。また、敗血症モデルマウスに対し、BH4の酸化防止目的にアスコルビン酸(AsA)の投与を行った結果、生存率が改善した。
【研究の社会的意義】
本研究による成果は、未だ死亡率の高い敗血症性ショックの病態メカニズムの解明につながる。病態メカニズムが解明されることで、これまでは対症療法が主体であった敗血症に対する臨床診療においても、BH4とその関連代謝物を指標とした新しい治療法の確立が期待でき、これによって死亡率の低下を実現できる可能性がある。
【研究代表者】