受容体型癌遺伝子c-erbB-2を指標とした診断と治療
【研究分野】人体病理学
【研究キーワード】
癌遺伝子 / 乳癌 / 血清診断 / ステロイドホルモン / erbB-2 / ELISA / RIA / 受容体 / 膀胱癌 / 癌胎児性蛋白
【研究成果の概要】
1.血清c-erbB-2の測定系を確立し、その応用をこころみて次の成果をえた。
a)EIAによる測定系を、健康人346例をもとに作成し13.0%、再発乳癌の陽性率51.2%との値をえた。
b)RIAによる測定系では、同じく13.0%、47.9%であった。
c)乳癌組織抽出液では過剰発現例は39.3%であった。このテストは以上の結果より、実用化の域に入ったと考えられる。現在、健康保険適用の可能性について厚生省で審議されている。
2.その他ErbB-2蛋白、遺伝子および関連遺伝子についての研究を行い、次の成果をえた。
a)ErbB-2のリガンドとしてエストラデオールが機能しうることを示した。
b)新しい受容体型チロシンキナーゼbrtを同定した。
c)新しいチロシンキナーゼを含むキメラ蛋白P80を同定した。
d)c-erbB-2遺伝子プロモーター領域における調節機序の一部を解明した。
e)src型チロシンキナーゼFgrが免疫グロブリンFcrセプターIIと会合することを示した。
【研究代表者】