腫瘍微小環境におけるメタボロインタラクト―ムの探索と制御
【研究キーワード】
がん / 代謝 / 細胞間相互作用 / アミノ酸 / オミクス統合解析
【研究成果の概要】
がんの転移・浸潤・薬剤耐性などの悪性化には腫瘍微小環境が重要な役割を果たす。申請者は、腫瘍微小環境において、分岐鎖アミノ酸のがん細胞への供給が、線維芽細胞や間質細胞からなされる新たなメカニズムが存在する可能性を見出している。本研究では、アミノ酸を軸とした腫瘍組織における細胞間相互作用で鍵となる代謝物(メタボロインタラクト―ム)の探索的な研究から新規がんの治療法の開発につながる研究を目的とする。本研究は、がん研究のみならず、アミノ酸代謝疾患研究、栄養学研究、mTOR研究などの学術体系の変革や転換にも繋がる可能性を有し、がんを克服する画期的な代謝疾患の制御法を開発に繋げるという挑戦的な研究である。
本研究は、がん細胞の生存や幹細胞性維持に重要な、腫瘍組織における細胞間相互作用で鍵となる代謝物の探索と制御を目的とする。申請者が持つ独自の低栄養培養系に、アミノ酸などの代謝物を1種類ずつ添加することで、これまで他の栄養素の作用が混在し解析が困難であった1代謝物に起因する系統的な遺伝子発現解析、エピゲノム解析やメタボローム解析を、がん細胞と線維芽細胞のin vitro共培養系やin vivo共移植系に利用し実現する。具体的には、申請者独自の実験系を駆使して、本年度は以下の2項目を検討し成果を得た。
(1)腫瘍微小環境における細胞間相互作用で鍵となる代謝物の探索
(2)代謝物を介した細胞間相互作用によるがん悪性化機構の解明と制御
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2021-07-09 - 2023-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)