着床を標的にした妊孕能制御システムの開発
【研究分野】産婦人科学
【研究キーワード】
マウス / 子宮内膜 / 着床 / calcium bindidng protein D-9K / Cre-loxP / トランスジェニックマウス / calcium binding protein D-9K / 子宮 / 妊娠 / 脱落膜
【研究成果の概要】
本研究では、着床に関わる子宮機能を標的にした妊孕能制御システムの開発を目的として、以下の戦略により妊孕能の制御可能なマウスモデルの作成を試み、以下の点を明らかにした。
[1]子宮腔へのcalcium bindidng protein D-9K (Cabp9K)遺伝子およびantisense oligodeoxynucleotide (AS-ODN)導入システムの確立のための検討
着床期特異的発現パターンを示すことが報告されているCabp9Kを解析対象遺伝子として、その遺伝子導入のための条件設定を行うと同時に、Cabp9K発現ベクターおよび蛍光標識AS-ODNの作成とそれらの機能検定を行い、マウス線維芽細胞株を用いた遺伝子導入システムにおいて、それらが機能しうることを確認した。一方、LacZあるいはGFP発現ベクターなどをレポーターとして、HVJ-envelopeや様々なliposome系の導入試薬を用いて、子宮への導入遺伝子の浸透度・分布度の解析を行った。既報に比べて低い導入効率しか得られず、既報の方法の再検証の必要性を示唆する新しい知見と、今後のシステム開発のための有用な基盤情報が得られた。
[2]Cre-loxPシステムを用いた妊孕能制御可能マウスモデルの作成とその検定
子宮内膜上皮特異的に発現すると考えられている遺伝子のプロモーターを組み込んだトランスジェニックコンストラクトを作製し、常法に従いマウス受精卵前核にマイクロインジェクションして複数系統のCre発現トランスジェニックマウスを得た。In vitroおよびin vivoにおいて子宮特異的にCreを誘導し得ることが、RT-PCRおよび免疫組織染色により明らかとなった。現在、ROSA26などのブルーマウスとの交配によって得られたF1マウスにおいて、時空間特異的にCre-loxPシステムが機能するか否かを検討中である。
【研究代表者】